理学療法士の資格取得を検討している人は理学療法士の需要や将来性が気になるところでしょう。需要や将来性は就職のしやすさや生活の安定に関係する重要なポイントです。

ここでは理学療法士の需要や将来性、今後の理学療法士に期待される役割などについて説明します。

理学療法士の需要について

理学療法士は今後10年でさらに成長する職業

アメリカの金融情報サイトであるキップリンガーが2017年に発表した「今後10年で成長する職業ランキング」において理学療法士は4位にランキングされました。ランキングしている職業の多くがIT関連の仕事である中、医療職である理学療法士が上位にランキングしたのは驚きです。

理学療法士が上位にランキングされた背景にはリハビリテーションは医療や介護の分野で欠かすことができないものであること、患者一人ひとりにあわせたパーソナルな対応が必要なため代わりになるものがないということがあげられます。

21世紀はAIやロボットの時代といわれていますが、理学療法士の仕事を代替することは難しいとされており、導入されたとしてもAIやロボットを操作するために理学療法士の知識や技術は必ず必要になります。これらを考えると理学療法士には将来的にも安定した需要が見込めます。

理学療法士の求人倍率

理学療法士の求人倍率については平成22年に日本理学療法士協会社会局調査部が発表した報告書があります。報告書によれば2005年から2010年までの理学療法士の求人倍率は常に3倍以上で推移しています。国家試験の合格者数や診療報酬改定などによって求人倍率に多少の変動はあるものの、理学療法士には多くの求人があり就職しやすい状況です。

理学療法士の主な就職先は医療機関や介護施設のため、全国のどこでも就職することが可能です。医療や介護においてリハビリテーションが必要な以上、理学療法士の需要がなくなることはありません。今後は団塊の世代が後期高齢者となったことで医療や介護が必要な人が大幅に増加します。理学療法士の需要はさらに増えると言えるでしょう。

理学療法士の将来性について

今後は高齢者の増加に伴って介護分野における理学療法士の需要が増加することは間違いありません。特に老人保健施設や通所リハビリテーションからの求人数は増加している状況です。また、医師や看護師の不足や医療費・介護費を削減しなければならないという背景から、訪問看護や訪問リハビリテーション事業所における理学療法士の需要が増加すると言われています。

医療業界においては医療費を削減するため、法律による入院期間の短縮がすすめられています。今後は早期退院を目指すために術前リハビリテーションや早期リハビリテーションの需要が増加することが考えられます。術前や発症早期から理学療法士が介入することで、身体機能の維持や合併症を予防することができ、患者の回復を早めることが出来ます。

医療・介護の分野以外では、スポーツ分野で活躍する理学療法士が増えています。近年は健常者の健康意識が高まり、フィットネスジムやトレーニングジムなどにおいて理学療法士の需要があります。実力がある理学療法士はすでにプロスポーツの世界で活躍しており、トップアスリートのサポートを行なっています。東京オリンピック・パラリンピックを控え、アスリートのサポートが行なえる優秀な理学療法士は重宝される存在です。

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理学療法士になるには

理学療法士は国が認定を行なう国家資格です。そのため、理学療法士になるためには養成学校を卒業し国家試験に合格する必要があります。養成学校には専門学校(3年制と4年制)、大学(4年制)があります。最短3年で理学療法士の資格を取得することが出来ますが、カリキュラムが厳しいため現在では4年制の専門学校や大学が増えている状況にあります。

国家試験はマークシート方式で、医学全般について出題される「一般問題」と、理学療法士の専門知識について出題される「実地問題」から構成されています。細かな合格基準は割愛しますが、例年の傾向によると60%以上の得点で合格となります。合格率は年度によって異なりますが、75%~90%あたりで推移しています。ちなみに平成27年度の合格率は74.1%、平成28年度は90.3%でした。

国家試験に合格すれば免状をもらうことができ、理学療法士として働くことができるようになります。

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理学療法士の待遇

理学療法士の給料は医療・福祉の分野において平均的な水準にあると言われています。職場によって給料には大きな違いがあるため、就職先を選択する際にはしっかりと待遇面を確認しておく必要があります。理学療法士の仕事は一般企業とは違い実力があれば転職がしやすい職業です。実力を武器に自分を売り込むことで、キャリアアップしていくことが可能です。

規模が大きな医療法人や福祉法人では福利厚生が充実しているところが多くあります。寮を利用できる職場であれば住居費を大幅に軽減することができ、保育所があるところであれば子育てをしながら働くことが出来ます。育児休暇に関して寛容な職場も多いです。

理学療法士が算定できる点数は法的に決められているため、一般企業のように売上を気にしながら働く必要はありません。患者のことを一番に考えて働けることは理学療法士の大きなメリットと言えるでしょう。残業が少ないのでプライベートを充実させることも出来ます。

将来的には理学療法士の人数が増えることで、個人の実力が重視されるようになります。優れた知識と技術を持ちリーダー的な役割を果たせる理学療法士になれれば、高い待遇を受けることが出来るでしょう。

理学療法士の仕事内容

理学療法士は病気や怪我をした人や高齢者、障害者に対して運動機能を回復させるリハビリテーションを行なうのが仕事です。具体的には関節の動きを改善したり筋力の強化を行なう「運動療法」や、温熱や電気などの物理的なエネルギーによって痛みの軽減や症状の緩和を行なう「物理療法」、歩行や食事動作といった日常生活に必要な動作を練習する「日常生活動作練習」などを行ないます。

リハビリテーションは患者の回復段階に応じて急性期リハビリテーション、回復期リハビリテーション、維持期リハビリテーションに分類されます。職場によってどのリハビリテーションを行なうのかは異なります。

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理学療法士の仕事内容

理学療法士に期待される役割

超高齢化社会となり、国の医療費・介護費は年々増加しています。国が対策を行なうことはもちろんですが、医療職の一員として理学療法士に期待される役割があります。

医療機関で働く理学療法士に期待されるのは、急性期リハビリテーションや回復期リハビリテーションによって患者を早期に在宅復帰、社会復帰させることです。入院期間を短縮することで医療費を大幅に軽減することが出来ます。

介護分野の理学療法士に期待されるのは、維持期リハビリテーションによって高齢者ができるだけ自宅で生活できるようにサポートすることです。介護施設を増やすことには残念ながら限界があり、今後は在宅介護をしなければならない家庭が増えます。通所リハビリテーションや訪問リハビリテーションなどの方法で高齢者の介護予防や介護者の負担軽減を行い、在宅介護を支えていくことが求められます。

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理学療法士とは(理学療法士の役割)

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この記事を書いた現役の理学療法士は・・・

理学療法士 7年目(33歳・男)

大学卒業後、一般企業に就職し社会人を経験。その後理学療法士を目指して4年制のリハビリ専門学校へ入学。病院・介護老人保健施設・デイケアで働く経験を持つ現役の理学療法士。

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