理学療法士になるために必ず通る臨床実習とは?

理学療法士になるために、絶対に欠かせないのが「実習」です。

実習は実際に病院や施設に通って行うものです。理学療法士だけでなく医療系の資格を目指す場合には必須となります。

実習には、つらくて大変なものというイメージがあるかもしれません。でもイメージだけではよくわからないですよね。実習とはどんなものなのか、もう少し詳しくお伝えしていきたいと思います。

 

実習の目的や意義とは?

理学療法士になるための学校では、運動学、解剖学、生理学など、人間のからだの仕組みについて学びます。それと同時に、関節の可動域や筋力の測定方法、動作分析などの「評価」の方法を、実技を通して学びます。

この評価は理学療法士の仕事には欠かすことのできないものです。評価で得られた患者さんの身体の状態をもとに、リハビリの目標を立てます。目標に向かってリハビリを行っていきますが、その進み具合を判断するためにも評価が必要です。

理学療法士は、国家試験に合格し、名簿に登録されればすぐに業務に就くことができます。病院で勤務した場合、理学療法士はリハビリテーションを提供することによって20分当たり○○単位という診療報酬を得ます。1単位は10円で、単位数は疾患や提供できるリハビリテーションの体制によって異なります。最大で20分あたり2450円、最低でも460円となります。

なりたての新人理学療法士も、何十年もキャリアのある大ベテランも、時間あたりに得られる診療報酬は同額です。

そのため、学生のうちから理学療法士の業務について実践的に学び、資格を取得後にすぐに仕事が行えるように、実習が組まれているのです。

実習の内容

実習は大きく分けて①見学実習、②評価測定実習、③臨床実習の3つに分かれています。それぞれの期間は学校ごとに違いますが、見学実習が3日から1週間程度、評価測定実習が4週間程度、臨床実習が6~8週間×2回が一般的です。

実習開始までの流れ

理学療法士の養成校のカリキュラムは、実習の集大成である「臨床実習」のために組み立てられています。そのカリキュラムの進み具合に合わせる形で、その他の実習が組み込まれています。

いつやるのか

実習のタイミングについては、学校ごとに決められており一律ではありません。学校が3年制か4年制かどうかでも異なります。一般的には、見学実習は入学後まもなく、評価測定実習は2年次または3年次、臨床実習は最終学年時となります。

実習でやること

見学実習は、あくまでも見学です。理学療法士が実際にリハビリを行っているところを見学して、よりイメージを深めます。また患者さんとお話をさせていただくこともできます。

評価測定実習では、それまでに学校で習った評価の方法を、実際に患者さんのお体をお借りして行い、患者さんのお体の全体像を把握する実習です。

そして、最終学年で行われる臨床実習では、評価結果を元に目標設定を行い、リハビリを組み立てていくという、理学療法士の実務と変わらない内容となります。

いずれの実習でも毎日の日誌を書くことや、レポートを提出するなどの課題が出されます。評価測定実習と臨床実習では、期間の最後に病院・施設内で実習の成果を発表する機会もあります。

実習の対象者は誰か

実習は必ず行われるものですから、全員が参加する必要があります。実習先の都合もあって同級生が一斉に参加するわけではなく、いくつかの期間に分かれて参加するケースが多いです。

実習はつらい?

実習内容のボリュームには病院によって差があります。大変な実習先、そうでもない実習先が存在します。終了時間ひとつとっても、病院の方針次第、指導担当の先生次第です。遅くまで仕事をしている先生の場合、一日の最後に行われる振り返りが7時、8時になるなんてこともあるかも?

先輩の話などから、自分の行くところが大変な実習先であることがわかっている人は気が重いかもしれません。でも、ここでの苦労は必ず将来に活きてきます。大事なのは、「勉強させてもらっている」という学生らしい姿勢、態度を忘れないことです。

実習前の準備はなにが必要?

実習が近くなると、実習させてもらう病院・施設に連絡をして、挨拶をします。またその時に準備するべきものや、通勤時の服装、昼食のことなどを確認しましょう。同じ実習先にすでに実習に行ったことがある先輩や同級生がいたら、情報収集を行いましょう。

そのほかの事務的な準備としては、実習先までの交通手段や、遠方である場合の宿泊先の準備があります。

自宅からであれば問題ありませんが、短期間のアパート生活になる場合は、必要な教科書や資料を持っていく必要があります。

費用の精算方法は学校によって異なりますが、領収書などはきちんと取っておくようにします。準備は実習先が決まってから学校内でもガイダンスがありますから、何から何まで自分自身で行うことは少ないと思います。

実習中の心構え

実習中は、学校生活では体験しないことがたくさん起こります。体力的に精神的にもタフさが必要となります。実習を乗り切るための心構えについて考えてみましょう。

「あいさつをしっかりと」

実習の初めは必ず緊張します。ですが、学生さんが緊張しながらもがんばっている姿というのは、それだけでリハビリ室の雰囲気を良くしてくれますし、患者さんのやる気にもつながります。例えわからないことだらけでも、あいさつならできますよね。笑顔のあいさつが大事です。

「失敗はあきらめずに取り返す」

実習中は先生から質問されることがたくさんあります。その場では上手く答えられなくても、そのことを調べて日誌に書くなど、積極的に学ぼうという姿勢が大切です。

「苦労が多いほど得をしている」

実習先によって、実習生活には大きな違いがあります。帰りが早いところや、課題が少ないところもありますが、眠れないくらい忙しいところもあります。

もし大変な実習先にあたってしまっても、「ラッキー」だったと思いましょう!

就職してからは先輩の先生方と同じ一人の理学療法士として扱われます。知識がきちんと身についていなければ、絶対に苦労します。

でも学生のうちであれば大丈夫。学生のうちだからこそ、間違ってもいいし、わからなくてもいいわけです。指導担当の先生から質問されて答えられなくても、次の日までに調べてくる猶予があります。理学療法士となってから、患者さんやそのご家族から質問されて上手く答えられなかったら信頼関係にも影響してしまいます。

大事なのは、「勉強させてもらっている」という学生らしい姿勢、態度を忘れないことです。

おわりに

筆者も現役の理学療法士です。最後にこれから実習に向かおうとしている方や、理学療法士になるための学校に進学しようと思っている方へのメッセージを送りたいと思います。

まずは私の実習体験ですが、最も大変だった1回目の臨床実習では、家に帰るのも夜9時くらいで、そこからほとんど眠れずに宿題やレポートをしていました。

実習の後半にはその病院・施設の先生方の前で行う発表がありますが、その直前に病院で具合が悪くなって倒れてしまいました。その日はリハビリ室のベッドで寝かせてもらい、発表もできずに早退したというほろ苦い思い出です。今思い返しても、あの時が人生で一番がんばった時間だったと感じています。もう10年以上経っていますが、あのときのことを思い出せば、今でもたいていの苦労は乗り越えられます。

理学療法士の仕事はとてもやりがいがあります。患者さんが笑顔になるお手伝いができ、直接ありがとうと言ってもらえる素敵な仕事ですし、とてもやりがいがあります。実習でやることは全て理学療法士になってからも毎日必要となることばかりなので、無駄なことはひとつもありません。

これから実習に臨む人も、理学療法士の学校に進む人も、ぜひ実習を乗り越えて理学療法士として一緒にがんばりましょう。始まる前から体調不良にならないように、気力と体力を充実させて実習に臨んでください。

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