理学療法士になるためには、養成学校で勉強し最終的に国家試験に合格しなければなりません。そのため、養成学校を選ぶ際には国家試験合格率が高く、国家試験対策がしっかりとした学校を選ぶことが重要です。
理学療法士を目指している人のために、理学療法士国家試験の概要と養成学校の選び方について説明します。

 

理学療法士国家試験の難易度

リハビリテーションの国家資格である、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の過去5年間の国家試験合格率は以下の通りです。

  第49回
(2014年)
第50回
(2015年)
第51回
(2016年)
第52回
(2017年)
第53回
(2018年)
理学療法士 83.7% 82.69% 74.1% 90.3% 81.4%
作業療法士 86.6% 77.5% 87.6% 83.7% 76.2%
言語聴覚士 74.1% 70.9% 67.6% 75.9% 79.3%

理学療法士の過去5年間の国家試験合格率は90.3%から81.4%となっています。難しい年には養成学校で勉強した学生の4人に1人が不合格となるため、決して簡単な試験ではありません。しかし、養成学校で1年次からしっかりと勉強し、万全な国家試験対策を行なえば確実に合格できる試験です。

作業療法士や言語聴覚士の合格率と比較すると理学療法士の合格率はやや高い水準にあります。受験する学生のレベルは比較出来ないため、合格率と試験の難しさは一致しませんが、数値上では理学療法士は作業療法士や言語聴覚士よりも国家試験に合格しやすい状況です。

国家試験内容

受験資格

3年制または4年制の理学療法士養成学校を卒業した人、卒業見込みの人に受験資格が与えられます。

受験者数

  第49回
(2014年)
第50回
(2015年)
第51回
(2016年)
第52回
(2017年)
第53回
(2018年)
受験者数(人) 11,129 12,035 12,515 14,379 12,148

理学療法士国家試験の受験者数は年々増加している傾向にあります。理学療法士の需要が増え、全国に多くの養成学校が出来たことが大きな理由です。

試験内容

理学療法士国家試験はマークシート方式です。5つある選択肢の中から1つ、または2つを選択します。問題には「一般問題」と「実地問題」があります。

「一般問題」は理学療法士に必要な医学の基礎が問われる問題です。公表されている出題分野は解剖学、生理学、運動学、病理学概論、臨床心理学、リハビリテーション医学、臨床医学大要及び理学療法 となっています。

「実地問題」では理学療法士に必要な専門知識に関する問題が出題されます。授業で習う内容だけでなく、実習で学ぶ内容や臨床に出てから必要となる知識や技術についても出題されます。出題分野は運動学、臨床心理学、リハビリテーション医学、臨床医学大要及び理学療法となります。

合格基準

国家試験の合格基準は合格発表と同時に公表されますが、例年の合格基準は以下のようになっています。

一般問題を1問1点(160点満点)、実地問題を1問3点(120点満点)とし、

総得点168点以上/280点満点
実地問題43点以上/120点満点

の両方を満たすことが合格条件です。実地問題を確実に正解し、総得点で6割以上を獲得することが合格の最低条件となります。

理学療法士になるために必要な知識や能力

忍耐力

理学療法士の仕事は人と接することが多い職業です。患者やその家族はもちろんのこと、同僚や他の職種と協力して仕事を行う必要があります。患者や仕事仲間を選ぶことはできないため、自分とは性格があわない人と関わることもあります。相手の言動に対していちいち腹をたてたり、いらいらしていたのでは仕事に支障が出てしまいます。そのような時は仕事と割り切り、冷静に対処する忍耐力が必要です。

高齢化社会となり、認知症患者の割合は増加しています。言葉が通じず理解してもらえないことも多いです。そのようなときも根気強く、最善な方法を探す忍耐力が必要となります。

体力

理学療法士は寝たきりの患者など要介護度が高い患者にリハビリを提供します。そのため、全介助の患者を移乗したりすることは日常茶飯事です。そのため、理学療法士にはある程度の筋力と体力が必要になります。

日常的にトレーニングをしている人や高校時代にスポーツをしていた人などは理学療法士に向いていると言えます。

コミュニケーション能力

理学療法士は多くの人と関わるため、コミュニケーション能力は非常に重要です。コミュニケーション能力がある人は患者や家族と良い関係を築くことができ、円滑にリハビリを行なうことが出来ます。また、同僚や他職種ともうまく協力することができ、チームとして良い治療を提供することが出来ます。

コミュニケーション能力がある人は周囲の人と良い人間関係を作ることができるため、ストレスを感じにくく日々の業務を楽しく行なうことが出来ます。

専門技術

理学療法士として活躍する為には、理学療法に関する専門的な知識や技術が必要となります。養成学校で基礎的な知識を身につけることはもちろんのこと、就職してからも成長していくことが求められます。実力をつけてキャリアアップしていきたいという向上心が理学療法士には必要です。

理学療法士になるためには、どのような学校に行くべきか

理学療法士の養成学校には大きく分けると専門学校と大学があります。大学は4年制ですが、専門学校には3年制の学校と4年制の学校があります。国家試験合格を目指すにあたってどのような学校を選ぶべきかについて説明します。

学校の偏差値と国家試験合格率は関係する?

大学への進学を考えた場合によく目にするのが偏差値です。自分の学力で合格できるか判断するために偏差値に注目するのは当然のことでしょう。しかし、理学療法士養成学校においては偏差値が高い=国家試験合格率が高いという結果にはなっていません。

その理由は偏差値が高いことと、良い教育を受けることが出来るかどうかは別問題だからです。専門学校においては偏差値という概念がないため、大学と専門学校を偏差値で比較できないという問題もあります。

大学よりも専門学校のほうが合格率が高い?

大学と専門学校の国家試験合格率を比較した場合、専門学校のほうが高い合格率を獲得している学校が多いです。その理由は国家試験対策がしっかりとしており、万全の体制で国家試験を受けることが出来るからです。

専門学校は少人数制の教育を行なっているところが多く、教員の目が届きやすく細かな指導が受けやすいというメリットがあります。大学は入学定員が多いため、教員の目が届きにくく勉強は学生の自主性に任せられることが多いため、合格率が下がりやすいという傾向があります。

専門学校の中でも合格実績が高い学校を

国家試験合格を考えた場合、専門学校の中でも国家試験合格率が高い学校を選ぶことが重要です。

専門学校には3年制と4年制、昼間部と夜間部があります。3年制の学校は出来るだけ早く資格を取得したい人に向いてはいますが、カリキュラムが厳しく勉強についていけなくなる可能性があります。3年次には臨床実習と就職活動、国家試験対策をあわせて行なう必要があるため、十分な時間がもてず国家試験に失敗してしまう学生もいます。

夜間部は就職しながら資格取得を目指すためのものです。学習できる時間は昼間部と比較して少なくなるため、国家試験合格はそれだけ難しくなります。

国家試験合格を目指すのであれば4年制の専門学校の昼間部がおすすめです。

また、養成学校にはリハビリに特化している学校と、幅広い医療系資格が取得できる学校があります。理学療法士を目指すのであれば、リハビリに特化している学校を選ぶのがおすすめです。
その理由はリハビリに特化した学校には理学療法士や作業療法士の資格を持った教員が多くおり、専門的で実用的な指導を受けることが出来るからです。リハビリに力を入れた医療機関や介護施設との関係性も強いことから、実習や就職活動も有利に行なうことができます。

養成学校の定員数は大きく分けると40名と80名に分けることが出来ます。おすすめなのは定員数が少ない40名の学校です。人数が少ないため、教員との距離が近く細かな指導を受けることが可能です。

国家資格取得後の就職先

国家試験合格後の理学療法士の主な就職先を紹介します。

医療機関

公立の病院から民間の病院までリハビリテーション科がある医療機関のほとんどが就職先となります。総合病院から個人医師が運営するクリニックまで規模も様々です。総合病院などの規模が大きな病院やリハビリテーション病院などには必ずリハビリテーション科があり、多くの理学療法士を採用しています。クリニックにおいても整形外科や脳神経外科などリハビリが必要となる診療科で多くの理学療法士が働いています。

介護施設

介護施設でもっとも需要が多いのは老人保健施設です。老人保健施設は介護保険施設の中核施設であり、医療と介護の中間施設と言われています。理学療法士は施設利用者に対して日常生活動作の訓練を中心とした生活リハビリテーションを提供します。

最近ではデイケア(通所リハビリテーション)で働く理学療法士が増えています。デイケアは在宅生活をしている高齢者が施設に通い、食事や入浴、リハビリテーションなどを受けるサービスです。
リハビリによって高齢者は在宅生活を長く維持することが出来るため、高齢者社会の中で注目されているサービスの一つです。

他にも利用者の自宅でリハビリを提供する訪問リハビリテーションなどがあります。

スポーツ分野

理学療法士はプロスポーツ選手やアスリート選手のサポートチームに所属し、スポーツ分野で活躍することができます。怪我をした選手へのリハビリを行なったり、日常的な体のケアやパフォーマンスの向上に向けたアドバイスなどを行なうのが仕事です。

理学療法士は障害に関する専門知識を持っていることから、車椅子バスケや陸上競技など障害者スポーツのサポートも行なっています。

最後に

理学療法士として活躍するためには、国家試験に合格することが必要です。そのため、国家試験合格率が高く、国家試験対策がしっかりとしている学校を選ぶことは重要です。紹介した情報を参考に、自分にあった学校を見つけて欲しいと思います。

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