理学療法士は医療機関や介護施設でリハビリテーションを提供する医療関係の職業です。人を元気にするやりがいのある仕事であり、高齢化社会を支える為に必要な存在です。 理学療法士に興味がある人のために理学療法士国家資格の概要と取得方法についてご紹介いたします。

 

理学療法士になる為には国家試験合格が必要

理学療法士は厚生労働省が認定を行なう国家資格です。そのため、理学療法士として働くためには、毎年2月に行なわれる理学療法士国家試験に合格する必要があります。 国家試験は誰でも受験出来るわけではなく、理学療法士養成学校を卒業することが必要になります。

理学療法士の国家試験の概要

理学療法士国家試験とはどのような試験なのか、概要を説明します。

試験日

毎年2月末の日曜日に実施されます。合格発表は3月末に行なわれます。

試験内容

試験はマークシート方式です。5つの選択肢の中から1つまたは2つの正解を選択します。 問題は大きく分けると一般問題と実地問題に分けることができます。

【一般問題】

解剖学、生理学、運動学、病理学概論、臨床心理学、リハビリテーション医学、臨床医学大要及び理学療法

【実地問題】

運動学、臨床心理学、リハビリテーション医学、臨床医学大要及び理学療法

一般問題は理学療法士に必要な医学全般の知識が問われる問題です。 実地問題は実際のリハビリテーションの場面を想定した専門知識を問う内容となっています。

難易度

過去5年間の理学療法士国家試験合格率は90.3%から81.4%となっており、難易度は年度によって多少異なります。 難しい年には学生の4人に1人が不合格となっており、試験の難易度は高いです。しかし、養成学校で理学療法士に必要な知識や技術を習得し、しっかりとした国家試験対策を行なえば合格することは可能です。

受験資格

受験できるのは理学療法士養成学校で3年以上、理学療法士として必要な知識及び技能を修得した人です。 つまり、国家試験を受験するためには、養成学校で勉強し卒業見込みの状態にならなければなりません。

試験会場

北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、香川県、福岡県及び沖縄県

受験人数

平成28年度の受験者数は14,379人です。受験者数は増加傾向にあります。

合格基準

例年の合格基準は総得点168点以上/280点、実地問題43点以上/120点 を満たすこととなっています。総得点で60%以上、実地問題で36%以上を獲得することが合格のボーダーラインとなります。

理学療法士の国家資格取得のために必要なこと

1.養成学校に入学し勉強する

国家試験の受験資格を得る為には養成学校で勉強し卒業見込みとなることが必要です。そのため、理学療法士国家資格取得を目指すスタートは養成学校へ入学することから始まります。 養成学校には専門学校と大学があります。専門学校は大学と比べて定員人数が少なく教員との距離が近いことから、わからないところを質問したり、実技に関して丁寧な指導を受けることが出来ます。理学療法士として実践的な能力を身につけたい人は専門学校がおすすめと言えるでしょう。

2.国家試験対策

国家試験の出題範囲は非常に広く、やみくもに勉強しても合格することは出来ません。合格のためには過去問を解くことを中心とした国家試験対策を行なうことが必要です。国家試験対策を行なうことで問題の傾向を知ることができ、よく出題される分野があることがわかります。出題されやすい分野を重点的に勉強することで確実に得点を稼ぐことが出来るようになります。 専門学校は国家試験対策が充実していることが多く、確実に国家試験に合格したい人に向いています。 久留米リハビリテーション学院では国家試験対策に力を入れており、毎年全国平均を大きく上回る国家試験合格率を誇っています。平成26年から平成28年の合格率は100%です。 また、本学院ではコンピューターを使用した効率的な学習システム「e-school」を導入しています。国家試験対策においても「e-school」は活用されており、膨大な過去問をパソコンやタブレットで勉強できたり、重要な授業を何度も聴き直して学習することが出来ます。効率的な勉強法が高い合格率につながっていると言えるでしょう。

同じ国家資格である作業療法士についても知っておこう

理学療法士のことを調べていると必ず出てくるのが作業療法士です。養成学校の多くが理学療法学科と作業療法学科を併設しており、どちらを選べば良いのか迷う人も多いでしょう。 理学療法士と作業療法士の共通点と違いについて説明します。

理学療法士と作業療法士の共通点

どちらも病院患者や施設利用者にリハビリテーションを提供するのが仕事であり、厚生労働省が認定を行なう国家資格です。取得までの流れもほとんど同じで、理学療法士が理学療法士養成過程を卒業し理学療法士国家試験に合格することで取得できるのに対して、作業療法士は作業療法士養成過程を卒業し作業療法士国家試験に合格すること取得することができます。 解剖学や生理学、運動学など一般医学の勉強については理学療法士と共通しているため、学校では一緒に勉強することも多いです。

理学療法士と作業療法士の違い

理学療法士と作業療法士の大きな違いはアプローチの仕方です。理学療法士は筋力トレーニングや歩行練習などの運動療法と、電気や温熱などを利用した物理療法を用いてリハビリテーションを行ないます。立つ、座るなどの基本動作や歩行などの訓練を行なうのが理学療法士の主な仕事です。 作業療法士は入浴や食事などの日常生活動作の練習を行なったり、手工芸、園芸、レクリエーションなどの作業を通じて応用動作や手の巧緻性を回復するリハビリテーションを行ないます。 作業療法士は「からだ」だけでなく、作業を通じて「こころ」へのアプローチも行ないます。そのため、作業療法士は精神科病院において多くの需要があります。

臨床現場では共に働くパートナー

医療機関においては理学療法士と作業療法士は同じ患者を一緒に担当することが多く、情報を共有しながら協力してリハビリテーションを行なっていきます。臨床現場ではチーム医療を支える良きパートナーと言えるでしょう。

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最後に:理学療法士の国家資格を取得するために

理学療法士になるために必要な国家資格の概要と取得方法 について説明しました。国家資格取得は養成学校への入学から始まります。理学療法士として必要な知識や技術をしっかりと学ぶことができ、国家試験対策がしっかりとした学校を選ぶことが重要です。 理学療法士はこれからの社会を支える為に必要な仕事です。社会に貢献できる理学療法士を目指してぜひ自分に合った学校選びと国家資格取得まで頑張っていただきたいと思います。

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