女性にとって大きなライフイベントのひとつが「結婚」と「出産」ではないでしょうか。専門学校なり、大学なりで一生懸命勉強し、ようやく理学療法士として仕事を頑張ろうという時期でも、やはり結婚のことは気になりますよね。
勤務が厳しくて結婚できないのでは…出会いがないのでは…そんな不安をお持ちの方に、理学療法士の結婚事情についてお伝えしたいと思います。
- 記事の執筆者:久留米リハビリテーション学院 教務部長 大坪健一
- 記事の監修者:久留米リハビリテーション学院 作業療法学科 学科長 岡 大樹
理学療法士が結婚する年齢は?
理学療法士として働くには、新卒の方を想定すると21歳か22歳から働き出す方が多いと思います。社会人経験者の方もいらっしゃいますが、ここでは就職未経験の新卒の方を対象にしていきますね。
やはり学生時代はしっかり勉強をする必要もあるので、学生結婚をしている方はほとんどいません。就職して何年かたって、ある程度の貯金や仕事上の余裕(ペースをつかむ)ができたうえで結婚を考える方が多いようです。
私が働いていた職場の女性の同僚や、学生時代の女性の友人では、26~28歳くらいが結婚のピークだったと思います。これを考えると、他の職業に従事する一般女性と大差ないことがわかります。
国勢調査をもとにした職業別の生涯未婚率は、保健医療の職業従事者は男性で9%前後、女性で13%前後となり、男女ともにほかの職業の生涯未婚率に比べて低くなっています。
つまり、理学療法士を含む保健医療職従事者は、ほかの職業の方に比べて結婚しやすい傾向があることがわかっているのです。
理学療法士はどのような人と結婚している?
では、理学療法士はどのような職業の方と結婚するケースが多いのでしょうか?
第一には、やはり医療職関係の方と結婚するケースが多いようです。理学療法士として働く際、一番かかわりが多いのは理学療法士や作業療法士、言語聴覚士といったリハビリ関係者です。
作業療法士や言語聴覚士の男女比はどちらかというと女性のほうが多いため、やはり男性が多い理学療法士との出会いが一番多いですね。仕事をしていく中で、自然とひかれあって結婚するカップルは多く、各職場に1カップルはいるのではないでしょうか。
もちろん、医療系ではない一般企業の男性と結婚するケースも多々あります。私自身も、地元の友達で一般企業に就職した男性と結婚しました。
理学療法士の出会い
では理学療法士の女性は、どのような男性と出会いがあるのでしょうか。
病院勤務の理学療法士を例にして、みていきましょう。
理学療法士同士の出会い
一緒にいる時間が長いのは、同じ科内である理学療法士の男性ですね。職場内結婚は、理学療法士にとって珍しいケースではありません。結婚後もそのまま同じチームで勤務するカップルもいますし、異動になるケースもあります。
また院外での講習会などでは、さまざまな病院や施設の理学療法士と出会う機会があります。講習会の種類によっては、講習後に懇親会などもあり意気投合するカップルもいるようです。私の友人では、学生時代の旧友と講習会で再会し、お付き合い・結婚までしたというカップルがいます。
別の職業の人との出会い
先にも述べたように、医療系以外の職業の男性と結婚するケースも少なくありません。
理学療法士としての勤務中は、なかなか一般企業の男性との出会いは少ないでしょう。一般企業の男性とは、プライベートでの知人の紹介やお食事会、地元の同窓会などで出会うことが多いようですね。
結婚後の仕事
職業によっては、結婚後に仕事を続けるのが難しくなる職業もあるでしょう。しかし、一生懸命勉強してやっと取得した資格です。結婚後にすぐやめるようではもったいないですよね。
では次に、結婚後、理学療法士としての仕事は継続できるのかをみていきましょう。
結婚による仕事への影響
職場結婚が多い理学療法士のカップルは、やはり共働き世帯が多いようです。遠方への引っ越しでもない限り、結婚後も変わらず仕事を続ける女性がほとんどです。職場結婚の場合は、便宜上旧姓のまま働き続ける女性もいました。
結婚をしたからといって、子供ができるまではさほど仕事への影響はありません。二人そろって休暇をとりたい場合などはほかのスタッフにも影響が出るので、早めに調整したり、配属チームを別にしたりといった配慮が必要になりそうですね。
なかには、様々な理由でどうしても常勤の勤務形態が厳しくなったという方もいるでしょう。しかし、理学療法士の求人は非常勤やパートでもあります。無理なく、家庭との両立をしたいという女性理学療法士は、あえて非常勤やパートの勤務形態を選んでいる方もいるのです。もちろん、勤務内容や責任感について常勤と大差ありません。充実した、やりがいのある仕事ができると思います。
夫が一般企業の場合は、土日休みのところが多いでしょう。しかし理学療法士は必ずしも週末休みになるとは限りません。夫と休みを合わせたい場合は、早めに上司に相談するのも良さそうですね。
産休育休の取得と復職
理学療法士などの医療職は、全体で見ると女性の比率が多くなっています。ゆえに産休育休制度の整っている施設がほとんどのようです。なかには施設内にスタッフ専用の保育所を完備しているところもあります。それだけ、女性のスタッフにも長く働いてほしいという施設が多いのですね。
産休は出産予定日の2か月前から(双子の場合は別)とることができます。育休は個人差がありますが、子供が1歳前後になるまで取る女性が多いようです。育休明けにもすぐフル勤務するのではなく、育児のために定時より1~2時間早く勤務を終える「時短制度」を利用するケースが多くなっています。
なかには出産を機に一度退職するという女性もいるでしょう。しかし、子供が大きくなって時間に余裕ができてからまた理学療法士として復職する方もいらっしゃいます。こういった場合、理学療法士としてのブランクはあると思います。しかし、子供を育ててきた人間力の大きさは、患者様と接するうえで必ずプラスになることでしょう。
まとめ:実際に仕事と結婚を両立したセラピストから
以上、女性が気になる理学療法士の結婚事情についてご紹介しました。いかがでしたか。
理学療法士の中には、3人も4人も子供がいてパワフルに働くPTママが沢山います。私の場合は、結婚や出産を通して人としての視野が広がった気がします。そのおかげで、スタッフ間のコミュニケーションや患者さんとのコミュニケーションがしやすくなったというプラスの経験をすることができました。
理学療法士という職業は、家庭も仕事もしっかり両立ができる職業だといえます。ぜひ、お仕事もプライベートも充実した日々を送ってくださいね。
- 理学療法士についてより詳しく知りたい方は、「理学療法士と作業療法士の違いは?」のページも参考にご覧ください