リハビリテーションの仕事は体力が必要で、男性が多い職業でしたが、最近は女性でもセラピストとして活躍したいと考えている方は増えています。
セラピストになるには、専門学校や大学への進学が必須です。平成26年度の理学療法士養成学校は全国で256校あり、依然、増加傾向です。
では、進学先はどのように決めたら良いのでしょうか?通いやすさや学費に目がいってしまいがちですが、選ぶポイントはそれだけではありません。
経験談をもとに女性ならではの視点で学校選びのポイントを紹介したいと思います。
- 記事の執筆者:久留米リハビリテーション学院 教務部長 大坪健一
- 記事の監修者:医療法人八女発心会 姫野病院 整形外科医 姫野信吉
専門学校か大学か
多くの方が悩むポイントだと思います。それぞれのメリットをあげてみました。
4年制専門学校
学費が安い・実践的な教育・学生の年代が幅広い
大学
就職の融通が利く・幅広い分野を学べる・比較的時間の余裕がある
※詳しくはこちらのページをご覧ください。
選ぶ基準として、社会人や大卒の方は専門学校を選ぶ方が時間のリスクが少ないと思います。
また、学生の人数も違いがあります。
人数が多いと、どうしても同性のグループで行動しがちになります。そうなると、実技や練習などで男女を意識してしまい、支障がでてきてしまいます。
少人数なら、もともと人数も少ないので男女関係なく仲良くでき、練習でも実践と同じようにできる環境が整っています。
セラピストになったら、老若男女関係ありません。学生時代から、男女ともに触り慣れておく意味でも、そのような環境があることは大切なポイントだと思います。
歴史ある学校か
新設学校には一から学校色を作っていく楽しみがありますが、私は歴史のある学校をおすすめしたいと考えています。
目安は7年。
理由は、7年目ぐらいからどの病院・施設でも学校の認知度やイメージが浸透・定着してきます。また卒業生も多くなり、活動のフィールドは年々広がっています。
それに加えて、学校のネットワークも広がっていきます。この学校のネットワークが広いかどうかは、今後の職場環境に重要だと思っています。
女性は人生において、結婚や妊娠など環境が変わりやすい節目が沢山あります。セラピストなら他の職業より復職しやすいとは言われていますが、女性全てに当てはまることではありません。
私も、結婚により退職せざるを得ませんでした。
再就職のとき、助けになるのが学校の同期や先生、先輩方です。一から再就職をするのもいいですが、やはり同じ出身学校の方がいるだけで、新しい職場でも安心して仕事に臨めると思います。
また、転職する場合や初めての就職でも、学校のネットワークが強いほど有利になっています。
女性の先生が在籍しているか
オープンキャンパスでは、学校の雰囲気や環境、設備の充実度などをチェックすると思います。もう一つ注目してほしいのが、女性の先生の存在です。
在学中だけでなく、卒業後も頼りになるのが先生です。
セラピストを目指してから働き終えるまで、沢山の悩みが出てきます。悩みをうち解けるにはやはり同性の先生が聞き入れやすいですし、共感してもらいやすいと感じています。
人間ですから、同性でも性格や意見の合わないかたもいらっしゃいます。また、異性の先生でも悩みをうち解けやすいかたもいらっしゃるので、一概には言えません。
しかし、女性セラピストとして目指すとき初めて会う女性の先生は、一人の先輩セラピストです。同じ女として目標になる身近な存在であることは間違いないと思います。
目標が定まっているほど、セラピストの夢は近づいてきますよ。
これからセラピストを目指している女性へ
最近では、国家資格取得だけが学校選びのポイントではなくなってきていると思います。
その背景には、求められるセラピストのニーズの変化と、ワーク・ライフ・バランスの重要性が挙げられます。
ぜひ学校選びには、セラピストになるだけが目標ではなく、卒業後どのように活躍していきたいのかも考慮しながら選んでみてください。