理学療法士 夜間専門学校

理学療法士・作業療法士の専門学校は、昼間部と夜間部とがあります。どちらで学ぶのがおすすめなのでしょうか。

専門学校で学ぶことや、夜間部で学ぶ魅力、デメリットなどとともにみていきましょう。

 

リハビリ専門学校で学ぶこととは?

専門学校では、理学療法・作業療法の基礎となる医学や、理学療法・作業療法についての専門的な知識、技術を学びます。

基礎医学

解剖学、生理学、病理学、リハビリテーション医学、運動学、整形外科学、精神医学、内科学、神経内科学など、人間の身体についての基本的な構造や仕組みを学びます。

解剖学では骨格や筋肉などの名称や構造など、人の身体が活動や動作を行うために必要な骨、筋肉の基礎を学び、生理学では、筋肉が働く仕組みや呼吸、神経、代謝など、身体の各器官の組織や働きについて学びます。

運動学では、活動する時の一連の動作や運動が、どのような関節・筋肉の動きによって行われるのかなど、動きや動作について詳しく学びます。解剖学、生理学をしっかりと理解したうえで、運動学を学ぶことが、臨床の場で患者様の動作や活動を考える土台となります。

その他にも、人が産まれてからどのような機能を獲得しながら発達していくのかを学ぶ人間発達学や、小児科学、リハビリテーションとは何か、どのような職種がどのようなことを行うのか、各疾患におけるリハビリテーションなどについて学ぶリハビリテーション医学、病気で起こる生態の変化やどのようにして起こるのかなどを学ぶ病理学、各組織の働きや内科疾患について学ぶ内科学、脳や神経の働き、神経内科疾患について学ぶ神経内科学、整形外科疾患について学ぶ整形外科学、精神機能や精神疾患について学ぶ精神医学などがあります。公衆衛生や保健福祉についても学びます。

理学療法学・作業療法学

理学療法・作業療法評価学、理学療法・作業療法治療学、理学療法・作業療法研究法など、理学療法・作業療法についての専門的な知識、技術を学びます。

理学療法・作業療法評価学では、理学療法・作業療法を行ううえで、どのようなことを評価するのか、何をみるべきなのかということを座学で学び、関節可動域や筋力、上肢・下肢機能などの検査や評価を、実際に学生同士で行い合って学びます。

理学療法・作業療法治療学では理学療法・作業療法で行う実際の技術や理論について学びます。理学療法では、中枢神経疾患や整形外科疾患、呼吸器・心疾患、内科疾患、高齢者、スポーツなど、それぞれの対象ごとに学び、作業療法では、身体障害分野、精神障害分野、発達障害分野、老年期障害分野について、それぞれ学びます。また、実際にどのように行うのかをグループワークや二人一組で実践します。

理学療法士、作業療法士がみる日常生活動作について、地域での高齢者施設や在宅療養者に対する理学療法・作業療法について、福祉機器、集団に対して行うレクリエーションについても学びます。

その他の基礎科目

基礎医学や専門的な知識・技術を学ぶために、物事を考える上での基礎となる力を身につけるために、体育や英語、心理学、教育学、情報処理、統計学などの基礎科目も学びます。

臨床実習

病院や施設など、実際に臨床の場に出て学んできたことを実践します。2年、または3年次に2週間程度の評価実習、3年、または4年次に6~8週間の評価・治療までを行う臨床実習を行います。

夜間専門学校の魅力は?

昼間部と夜間部で迷うときに、夜間を選ぶ魅力はどういったところにあるのでしょうか。夜間の学校の特徴として、学生の年齢層は昼間よりも高く、大学や大学院を出て、社会人経験のある学生が多いようです。

夜間は昼間よりも授業時間が短いため、カリキュラムは必要最低限で組み立てられています。長期休みが昼間よりも短かったり、昼間で学ぶ学科が学べなかったりということもあるようです。

仕事と両立しながら学べる

まず、夜間の学校を考える時に条件となるのが、「昼間働いて、夜学べる」ということではないでしょうか。多くの夜間の学校では、病院や施設などの、リハビリ助手のアルバイトなどの求人がくるので、自分の条件に合ったバイトを昼間に行うことができます。

昼間に現場でリハビリ助手として働くことで、授業の内容が理解しやすくなるという魅力もあるようです。しかし、予習・復習の時間もしっかりとれて、プライベートの時間も楽しめる昼間の4年制の学生生活と比べると、昼間に働いて、夜に学校で勉強という生活はかなりきついという声もあるようです。

最短で理学療法士・作業療法士の国家試験受験資格を得られる

夜間部は、昼間部よりも時間が短いため、カリキュラムも国家試験の受験資格を得るための必要最低限のものに絞られています。そのため、最短で国家試験の受験資格に届くと言えるでしょう。社会人入学者の割合が多くを占めていることから、基礎となる学問が省かれていることが多く、基礎的な知識は持っている前提で専門的な学科を学ぶことになります。

しかも、必要最低限の授業時間でやりくりされているため、プラスアルファの知識を得る努力や、自分で予習・復習を欠かさず行うことが必要です。授業時間の短さをカバーするために、長期休暇も昼間よりも短めとなるようです。

多彩な経歴の仲間に会える

夜間部では、他の職種からの転職を考えて入学している社会人も多く、昼間部に比べて年齢層も高めです。幅広い年齢層、多彩な経歴の持ち主が集まっているので、様々な考え方や視点を知ることができますが、高校新卒で入学した場合には、同年代が少なく、同じ話題や考え方で集える仲間と出会うことは難しくなるかもしれません。

夜間専門学校のデメリットは?

夜間部の学校に通うデメリットとはどういったところにあるのでしょうか。昼間働くことができるという魅力がありますが、体力的にはかなり厳しいというデメリットや、昼間働けるとはいえ、夕方から授業があり、実習中は仕事を休まなければならないために、仕事が制限されるというデメリットもあるようです。

体力的に厳しい

夜間部に通う学生の多くは、昼間部は生活費や学費を稼ぐために働いています。夜間部の学校は3年制と4年制とがあり、3年制の場合は1日3コマ授業で、授業開始は17時30分から、終了は22時30分という超ハードなカリキュラムです。これでは詰込み授業となることは致し方ないでしょう。授業が終わってからも、家に帰ってから復習・予習を行うと、就寝時間は夜中となります。

朝から夕方まで働いて、そのうえ、夜はみっちり勉強という毎日では、社会経験のない高校生には、厳しすぎるスケジュールであることは当然です。留年や、リタイヤする学生の確率も高くなるでしょう。

仕事が制限される

夕方17~18時ごろからは授業が始まりますので、それまでに仕事を終えて、学校まで移動できる条件の仕事でなければなりません。また、臨床実習は、実習先の施設に朝から通うことになるので、その期間は仕事を休まなければなりません。授業の都合に合わせることのできる仕事を選ばなければならず、自分のやりたい仕事ができるとは限らないでしょう。

昼間部の専門学校で無理なく学ぶことが最短ルートかも!

夜間部には、夜間部ならではの魅力もあれば、デメリットもあります。結局は、昼間部と夜間部、どちらで学ぶのがよいのでしょうか。

夜間は昼間に比べて短い授業時間でのカリキュラムが組まれていますが、その分、省かれている科目も多く、国家試験に合格するためには自分で勉強を重ねることが必要です。社会に出て、昼間は仕事をこなし、そのうえ、夜遅くまで、国家試験や臨床実習合格に向けて勉強に励み続けることは、社会経験のない高校生や体力・精神力・知力に不安のある方には厳しいと言えるでしょう。

社会経験があり、体力・精神力・知力が充実している方にとっては、働きながら夜間の学校に通い、理学療法士・作業療法士を目指すことは有効な手段ですが、新卒の高校生や、自立心・学力・体力・忍耐力に自信の無い方や、理学療法士・作業療法士として働くために、じっくりと必要な知識や技術を学びたい方は、昼間部で学ぶことが適していると言えるでしょう。

昔はたくさん存在していた昼間3年制の養成校も、次々に4年制へと推移しており、昼間4年制でのカリキュラムが重要視されています。即戦力となるための知識・技術をしっかりと学べて、国家試験対策や臨床に出てから必要となるきめ細やかなサポートが受けられる昼間の4年制の学校は、新卒の高校生だけではなく、しっかりと学びたい社会人にもおすすめです。

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