現役の作業療法士が、自分が過ごした4年間のリハビリ専門学校時代を振り返り、学校生活の過ごし方についてアドバイスをしてくれました。
- 記事の執筆者:久留米リハビリテーション学院 作業療法学科 学科長 岡 大樹
- 記事の監修者:久留米リハビリテーション学院 教務部長 大坪健一
1.最終目標は「国試合格」ではないことを確認しておきましょう
まずははじめに、4年間の過ごし方を考える前に、みなさんは、なんのために「作業療法学科」に入学をしたのか、確認しておきましょう。
それは、作業療法士の国家資格を取得するために入学したのですか?それは正解でもあり、間違いでもあります。なぜなら、作業療法士は国家資格ですので国家試験に合格しなければなりません。しかしそれは、紙切れ一枚でしかありません。「私はこんな作業療法士になりたい!」という現時点での最終目標をしっかり立ててみましょう。そこからいよいよ作業療法学科としての学生生活が始まります。
2.4年間のカリキュラムスケジュールを確認しておく
細かく「解剖学が何時間あって…」ということではありません。実習は何年生の何月にあるのか、実習地はどんなところなのか。3年生で受けるこんな授業が楽しみだなとか。4年間の学校生活を簡単にシュミレーションしてみましょう。
3.今年一年のカリキュラムスケジュールを確認しておく
これはある程度細かくしておくといいですね。各講座の流れからテスト期間の確認はもちろんのこと、実習期間の確認も必須です。一年の流れをつかんでおかないと、ただ流されるだけの学校生活になってしまいます。
4.1年生でやるべきこと
1年生のうちは、解剖学や生理学、運動学など、医療的に必要な知識を学ぶことが多いので、作業療法士としての専門的な学習時間は少ないでしょう。でもここがすべての基礎になります。もっと言えば、ここの理解度が高ければ、2年生以降の学習もスムーズに進むことも多いでしょう。暗記科目が多いので勉強も大変だと思いますが、すべての基礎になると思って頑張りましょう。
5.2年生でやるべきこと
2年生になると、少し専門的な学習時間も増えてきます。そこで大切なのが「基本をおろそかにしないこと」だと思います。作業療法評価学などの時間もあると思いますが、簡単なことほどおろそかにしてはいけません。そこができていないと今後絶対に困ります。サッカーもボールを蹴ることのできない人はシュートなんて絶対できませんよね。2年生は基礎を固める大切な時期です。
また3年生の実習に向けて、長期休暇などを利用し個人的に病院見学や、卒業生訪問などに行くのもおすすめです。
6.3年生でやるべきこと
学校によっては3年生で実習が始まるところも多いでしょう。今まで頑張って学んできた基礎が生かされ始める時期です。しかし残念なことに、進級テストがクリアできない、実習がクリアできないなどで、学校生活をリタイアしてしまう仲間がで始めるのもこの時期です。一番初めに決めた「最終目標」を忘れてしまうのも残念ながらこの時期が多いように感じます。
「自分はなんで作業療法士になりたいのか」「今頑張っているのはなんのためか」もう一度考えてみてはいかがでしょうか。
また2月の国家試験が終了したら、試験の様子やどんな対策をしたかなど、来年に向けて先輩方に情報収集をしておきましょう。また今年は就職先として、どんな施設があったのか確認しておくことも大切ですね。
7.4年生でやるべきこと
実習、就職活動、卒業試験、国家試験…やることは、山のようにあり、一番忙しく大変な一年になります。でもなぜか、私は一番遊んだ時期でもありました。
大変な時期だからこそ、仲間と息抜きをしたり、遊びに出かけたり、メリハリをつけて生活をする時間が大切だと思います。実は、作業療法士になってからもそれが大切なことだったりするのです。
作業療法士としてのプレ体験ができる4年生。3年生までの土台があれば、乗り切れると思いますので、最高の一年にしてください!
8.最後に
4年間。とても短いと思います。今でも同級生と「作業療法士以外に考えることが本当になかったよね」と話すほどです。それは、ある意味幸せな4年間だったと思うのです。後にも先にも、自分の夢とじっくり4年間も向き合える時間なんて本当にないと思うからです。そんな時に出会った仲間は、一生の宝物です。
一緒に乗り越えてくれる仲間と共に、目標である作業療法士としてデビューされる日を夢見て、素敵な4年間を過ごしてくださいね。