~作業療法士は自立と自律を目指せる仕事~特別講演会!
令和2年12月8日(火)に特別講演会を実施しました。
テーマ「重度障害児(者)への支援について」
~作業療法士は自立と自律を目指せる仕事~
西九州大学リハビリテーション学部
植田 友貴 教授
「作業療法士はなくならない職業である。なぜなら個別性が高いから」と植田先生はいう。
作業療法士の仕事は、他の職種やAIでも真似できない、人のココロの部分に関わるからこそ個別性が高い職種です。
重度障害といわれる筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの四肢麻痺を患った方は発話や表情筋が障害され、他者との意思疎通が困難となります。そのような患者様に、「様々な手段や道具」を活用し、関わることで、「治らない障害」を克服できるという内容でした。
皆さんは家族に何か伝えるときに、どのような方法で思いを伝えますか?きっと「会話」という手段を使って思いを伝えるでしょう。また、声を出せないような場面であれば「筆談」という手段を使って思いを伝えるのではないでしょうか。しかし、話すこともできず、筆談もできない状態だったとしたら、どのような方法で相手に思いを伝えますか?
植田先生は「体の一部分が、数ミリ動けばコミュニケーションが取れる」と話されていました。
方法としては、ハーティーラダーというPCソフトを使い、自動で動く画面を見ながら自分が選びたい言葉の上にカーソルがきたらスイッチを押す動作を繰り返すことで自分の伝えたいことをパソコン上に打ち込むという方法を教えてくださいました。
そのボタンを押す方法も様々で、①スイッチをわずかな指の動きで押す方法②赤外線を頬に当てておき、頬のわずかな動きでスイッチを押す方法③眉を強く閉じることでボタンを反応させる方法④舌でスイッチを操作する方法など、他にも様々な方法がありました。
スイッチを押すことができれば寝たきり状態でもリモコン操作ができたり、パソコンを使うことができるため、SNSを活用し自宅に居ても外部と繋がることができるなど、重度障害を患った方も「自律」することができるということでした。
数ミリの動きでスイッチを押す環境設定ができれば、患者様の今後の生活は大きく変わり、人生を良い方向へ変化させることのできる作業療法士という職業は、とても魅力的だと改めて感じることができました。
植田先生、本日は貴重なお話をありがとうございました。