理学療法士を知る

介護分野における理学療法士の仕事

今後数十年間にわたって高齢者人口は増加し要介護者は増えていきます。また、国の方針では今後の高齢者に対する維持期のリハビリテーションは介護保険で行なう方向であり、今後はさらに介護分野での理学療法士への需要が高まることは間違いありません。

では、介護分野において、理学療法士はどのように活躍しているのでしょうか。

介護サービスの種類と役割

介護分野での理学療法士の仕事を理解するには、介護サービスの種類とその役割を理解しておくことが重要です。大きく分けると3種類のサービスがあります。

入所サービス

施設に入所し、日常生活に必要な介護やレクリエーション、機能訓練などを受けるサービスです。介護保険施設には老人保健施設、老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護療養型医療施設があります。このうち介護療養型医療施設に関しては国が廃止の方針を打ち出しており、今後は医療面に特化した老人保健施設が増えるといわれています。

老人保健施設は医療と介護の中間施設といわれており、介護保険における中核施設です。入所者に対して日常生活の介護やレクリエーションを提供するとともに、個別リハビリテーションや生活リハビリテーションを行なう施設です。在宅復帰や他の施設への入所を目的として入所し、いずれは退所することが必要になります。

老人福祉施設は重度の要介護者が生活するための施設です。介護保険制度における老人ホームと考えて問題ないと思います。民間が運営する施設には有料老人ホームがあります。民間運営のため、設備や費用は施設によって大きく違います。

通所サービス

通所サービスというのは自宅で生活している要介護者が介護事業所に通って、一日を過ごすサービスです。デイサービス(通所介護)とデイケア(通所リハビリテーション)の2種類があります。

二つの違いは、デイケアにはリハビリテーション専門職の配置が義務になっているということです。デイサービスでも介護福祉士などによる機能訓練は行なわれますが、リハビリテーション専門職の配置義務はありません。また、デイケアは基本的に医療機関や老人保健施設に附属する形で運営されているため、医療面のサポートが受けやすいという特徴があります。

在宅サービス

要介護者の自宅で提供される介護サービスの事を言います。具体的には訪問介護や訪問看護、訪問リハビリテーションがあります。

理学療法士が関わる介護サービスは、主に老人保健施設、デイケア、訪問リハビリテーションの3つです。それぞれの理学療法士の仕事について説明します。

理学療法士が大きな存在感を示すことができる老人保健施設

老人保健施設の大きな目的は生活リハビリテーションを行い、在宅や次の施設で安全で高い質の生活が送れるようにすることです。患者の多くはリハビリテーションを目的として入所しており、理学療法士の役割は非常に大きいと言えます。

医療保険のリハビリテーションとの大きな違いは、一人で多くの人数を担当することです。現状の法律では100人に対して1人の理学療法士か作業療法士、言語聴覚士のいずれか一人がいれば良いとなっているからです。効率よくリハビリテーションを行なうには、他の職種との協力が重要です。理学療法士として利用者の身体機能や認知機能を評価し、最適な介護方法や予測されるリスクを他職種に情報提供します。

また、施設内での移動を能力に応じて変更(車椅子から歩行器など)していくことで、施設内での生活がリハビリテーションにつながるようにしていきます。

デイケアの目的は在宅生活をサポートすること

デイケアの一番の目的は、要介護者の身体機能の維持改善を図り、在宅生活が長く継続できるようにすることです。 医療保険では維持期のリハビリテーションは日数制限によって行なうことが難しくなってきました。特に要介護者に対しては介護保険を利用する方向に国は方針を出しています。そのため、今後はデイケアが維持期のリハビリテーションの中心となると考えられます。

利用者の中には、脳卒中の後遺症やパーキンソン病など、リハビリテーションを行なわないと症状が悪化する人が多くいます。デイサービスでも介護福祉士などによって機能訓練は実施されますが、多くは集団での体操やゲーム、歩行練習などであって理学療法士が専門的な知識と技術を持って行なうリハビリテーションとは異なります。

維持期には身体機能に変化がなく、同じような治療を繰り返すイメージを持っている人がいるかもしれませんが、それは違います。利用者は高齢者のため、日々体調は異なりますし、年齢を重ねれば体力も低下していきます。利用者の能力にあわせて治療プログラムを改善していくことが大事です。家族に対して適切な介護方法をアドバイスする場合もあります。

デイケアでは加算をとるために、新規入所者に対して自宅訪問を行なうことが必要になりました。自宅訪問では、利用者の日常生活や環境を把握し、プログラムに生かすことが重要です。住宅改修のアドバイスを行なうこともあるため、住宅改修や福祉用具などの知識も必要になります。

在宅で必要な動作を直接練習できる、訪問リハビリテーション

訪問リハビリテーションは理学療法士が自宅を訪問してリハビリテーションを行なうサービスです。
生活に必要な動作を直接練習することができ、環境面のアドバイスを行なうことができるのがメリットです。また、通院や通所が難しい人でもリハビリテーションを受けることができます。

基本的に一人で訪問して行なう仕事のため、患者の健康管理とリスク管理に注意が必要です。自覚症状や他覚症状の確認、バイタルチェックはリハビリテーションの提供前後に必ず行なうようにします。

また、訪問リハビリテーションを実施する場合には、ケアマネをはじめとして訪問看護や訪問介護のスタッフとの連携が必要です。それぞれが違う事業所に勤務するスタッフのため、対応には注意します。

介護分野における理学療法士の役割:まとめ

維持期のリハビリテーションの介護保険への移行や、医療面に特化した老人保健施設の増加に伴って、介護分野における理学療法士への需要はさらに大きくなると思われます。また、医療分野で働く場合においても患者の予後を考える上で、介護分野の理学療法士の役割を理解しておくことは非常に重要です。

参考コンテンツ

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